インタビュー
「断らない」という思いを胸に、患者さまを笑顔にする診療をしています。
不安を抱えた患者さまが笑顔になって帰られることをモットーに診療しています。また、認知症の方々が医療や介護を受けられるように、月に一度、医療関係者や行政の方に来ていただき認知症カフェを開いています。
医師を志したきっかけを教えてください。
医師をしていた父の背中を見て育った影響が大きいですね。それと、中学3年生のときに腎臓を患って入院していたことがあるのですが、患者の立場になってみて、病を治療する医師という職業のすばらしさを実感したことも、医師を目指したきっかけのひとつです。
内科や整形外科など、幅広く診療されているのはどのようなお考えからですか?
私は、広島大学 原爆放射線医科学研究所 腫瘍外科に入局後、がん外科で研修を受け、消化管から乳腺までの幅広い領域の手術を習得しました。こうした経験を活かそうと思い、開業してからも、患者さまのがんの検査から手術、再発した方の抗がん剤治療までおこなっています。
診療のモットーを教えてください。
「患者さまを断らない」ということと「笑顔になって帰っていただく」ことをモットーに診療しています。来院される方は痛みや不安があって診療を受けられます。そういったお悩みを少しでも解消していただき、「谷本クリニックに来てよかった」と思っていただけることを目指しています。
例えば「おなかが痛い」という患者さまには、朝食を食べたか伺い、痛くて食べられなかったと言うことであれば、その日のうちに内視鏡検査をすることが可能です。「頭の後が痛い」とおっしゃる方にはCT検査も当日受けることができます。予約を取らなくてもその場で検査して治療につなげ、不安を解消していただくお手伝いをさせていただきます。
認知症カフェ”ハッピーミルキー”の取り組みを教えてください。
認知症カフェに来ていただいた方が必要としている医療や介護につなげることが、重要な役割だと考えています。認知症の方の中には医療機関が苦手な方もいらっしゃいます。周りの人たちが「夏なのにコートを着て歩いている」「1日に何度も同じお店で卵ばかり買っている」といった異変に気づき病院に行くことをすすめても、「どこも悪くない」と突っぱねてしまうこともあるのです。
”ハッピーミルキー”には、医師・看護師・ケアマネージャー・民生委員・町内会長が集まり、情報交換をおこなっています。また近隣の歯科医師や薬剤師の方が来ることもあります。利用してくださる方に何が必要なのかをその場で判断し、医療や介護につなげていきます。
”ハッピーミルキー” ではどのような時間を過ごせますか?
認知症の方たちに「出掛けたい」と思っていただくことも、認知症カフェの役目だと考えています。ですから、陶芸教室やそば打ち体験などをおこなっています。また、私たちスタッフや医師も利用者さまとお茶やおしゃべりを楽しみ、コミュニケーションを取っています。
単に「コーヒーやお茶を無料で飲める場所」ではなく、楽しく過ごしていただく工夫をしています。医療関係者や行政に関わることへのハードルを低くすると共に「参加される方に何ができるか」を考えていくことが大切なのだと思います。
開院された頃と現在で、どのように変わりましたか?
入院施設のない無床診療所でしたが、外来にも入院にも対応できる有床診療所に変わりました。また、退院後のケアができるように、訪問診療・訪問看護・往診にも対応しています。ほかにも居宅介護支援事業所とデイサービス、ショートステイをおこなっている”ミルキーケア”を併設いたしました。デイサービス・ショートステイを利用している方の健康管理も医師がおこない、地域包括ケアに貢献しています。
困っている患者さまの受け入れができるように、できるかぎり対応できるクリニックであろうと考えています。